Microsoftは先日、Microsoft StoreでWindows 10/11用のPC最適化ツール「PC Manager」の提供を開始しました。
PC ManagerはWindows内蔵機能に、追加のツールを組み合わせたアプリで、メモリ最適化や不要ファイルの削除、セキュリティ・リカバリ機能など、さまざまなメンテナンス機能を呼び出すことができます。
Microsoftが公開したツールであることから、サードパーティ製のツールに比べて信頼性が高いことが期待できますが、このツールの中身にいかがわしい部分があるとNeowinが指摘しています。
怪しい最初のポイントは、ディスククリーンアップの対象としてWindows Prefetchフォルダが含まれている点です。NeowinはWindows Prefetchフォルダを削除してもPCは高速化されず、逆にアプリの起動に時間がかかるようになると主張しています。Prefetchフォルダの削除は有害であり、Microsoftの公式フォーラムでも15年前に専門家が手動で削除しないように説明していると指摘しています。
Each time you turn on your computer, Windows keeps track of the way your computer starts and which programs you commonly open. Windows saves this information as a number of small files in the prefetch folder. The next time you turn on your computer, Windows refers to these files to help speed the start process.
The prefetch folder is a subfolder of the Windows system folder. The prefetch folder is self-maintaining, and there's no need to delete it or empty its contents. If you empty the folder, Windows and your programs will take longer to open the next time you turn on your computer.
コンピュータの電源を入れるたびに、Windowsはコンピュータの起動方法と、よく開くプログラムを記録します。Windowsはこの情報をプリフェッチ・フォルダに小さなファイルとして保存します。次にコンピュータの電源を入れたとき、Windowsはこれらのファイルを参照し、起動プロセスを高速化します。
プリフェッチフォルダはWindowsシステムフォルダのサブフォルダです。プリフェッチフォルダは自分で管理するため、削除したり中身を空にしたりする必要はありません。このフォルダを空にすると、次にコンピュータの電源を入れたときに、Windowsとプログラムが開くのに時間がかかります。
また、Toolboxセクションに中国のソフトウェアWebサイトへのアフィリエイトリンクが2つ含まれているとも指摘しています。手元の環境では確認できませんでしたが、リンクはトラッキングパラメーター付きで以下のような情報が確認できたそうです。
- スライドを作成するためのPowerPointアシスタントのようなものを提供しているMicrosoft Mobile Lianxin Internet Services Co.Ltd.という会社
- WordのユーザーインターフェースとPDF編集機能をコピーしたようなPDFエディターを提供しているHainan Chuangye Star Technology Co.,Ltd.という会社。
これに対しNeowinのフォーラムには、Prefetchフォルダに関する情報は古すぎて、SSDをストレージとして使用するようになった現在には当てはまらないといったコメントや、中国へのWebサイトのリンクは確認できないといったコメントが寄せられています。
手元の環境ではPrefetchフォルダがクリーンアップ対象に含まれているのは確認できましたが、Toolboxの怪しいリンクはありませんでした(MSNのみ)。リンクはアプリ公開後に削除された可能性もありますが、今のところ確認する方法がありません。
最適化ツールを実行するとPCが不調になる場合あることは以前から指摘されており、Microsoft製のツールだからといって信頼しすぎない方が良いのかもしれません。