
Omarchyプロジェクトは11月4日、新たな大型アップデート「Omarchy 4.5」を公開しました。新バージョンは12週間で740件以上のプルリクエストが取り込まれ、180人以上のコントリビューターが参加したという、非常に大規模なリリースとなっています。
従来のタイル型デスクトップだけでなくフローティングウィンドウにも対応し、Apple Silicon Macへのネイティブインストールサポートや、50言語対応など、多方面で大幅な進化を遂げています。
タイル派もフロート派も使えるデスクトップへ

Omarchyといえばタイル型ウィンドウ管理が特徴でしたが、4.5では「Floating Workspace」が追加されました。ワークスペースごとにタイル表示とフローティング表示を切り替えられ、ドックも利用できます。実行中アプリやピン留めアプリの管理がしやすくなり、macOSやWindowsから移行してきたユーザーでも違和感なく使い始められる設計になっています。
インストールも高速化され、パッケージを個別にインストールするのではなく、事前構築済みイメージを展開する方式へ変更されました。その結果、インストール時間は大幅に短縮され、高速なハードウェアではわずか7秒でインストールが完了したという事例も紹介されています。起動時間やメニュー表示速度、ログアウト処理など、OS全体のパフォーマンス改善も多数行われています。
通知システムは全面的に刷新され、送信元ごとのグループ化やテーマとの統合表示に対応しました。ボタン操作や認証コードの利用も通知上から直接行えるようになっています。動画壁紙やテーマ用イントロアニメーション、新テーマ「Jade Horse」、新しいデフォルト壁紙「Liftoff」も追加されました。
Markdownからプレゼンテーションを作成できる「Hype」、PDF署名用の「Signed」、ディスク容量を視覚化する「Disktree」、録画アプリ「Monologue」、SSHベースのリモートデスクトップ「Gliff」など複数の新しいアプリが標準アプリとして採用されました。さらに世界時計アプリ「Elsewhen」も新たに搭載されました。
ユーザーインターフェースの対応言語は50言語に拡張されました。言語変更は即時反映され、次回ログイン時にシステムロケールも追従します。日本語入力のMozcをはじめ、中国語や韓国語向け入力方式も標準でサポート。フォントや変換候補ウィンドウ、ショートカットまで含めて細かな配慮が施されており、多言語環境での実用性が大きく向上しています。
Apple Silicon版が正式に登場

今回の目玉のひとつがApple Silicon対応です。M1、M2、M3、Neo搭載Mac向けのネイティブインストーラーが提供され、USBメモリや複雑なインストール手順なしで導入できるようになりました。さらに将来的にはM4以降への対応も進められているとのことです。
また、ARM版ISOの提供によりNVIDIA DGX SparkやN1XベースのノートPC向けサポートも開始されました。Snapdragon ARMマシンへの対応も計画されています。
AIとエージェントを中心に据えた進化
Omarchyは自らを「Agentic OS」と位置付けていますが、4.5ではその方向性がさらに強化されました。
エージェント管理パネルでは対応サービスが6から23へ拡大。GitHub Copilot、Cursor、Devin、DeepSeek、Qwen、OpenRouter、Ollamaなど、多数のAIエージェントやプロバイダーを統合的に管理できます。利用制限の残量確認やアカウント切り替えも容易になりました。
また、Quakeスタイルのコンソールが追加され、ショートカットキーひとつでAIエージェントを呼び出せるようになっています。複数アカウントをまたいだ運用やSSH経由での認証情報移行などもサポートされました。
音声入力エンジンとしてはSuperwhisperがデフォルト採用されました。クラウド版をすぐ利用できるほか、完全ローカル動作のモデルも選択可能です。
さらに企業利用を意識した機能として、Outlook、Word、Excel、PowerPoint、Teams、OneDriveをWebアプリとして簡単に導入できるようになりました。Microsoft 365中心の業務環境との親和性も高められています。
まとめ
Omarchy 4.5は一般ユーザーや企業ユーザーも取り込めるAI時代の統合デスクトップ環境へと進化しました。Apple Siliconへの正式対応、50言語サポート、Microsoft 365連携、そIエージェント機能の強化によって、これまでニッチだったOmarchyをさらに多くのユーザーへ広げる足場が整った印象です。
特にmacOSユーザーにとっては、Linuxベースの環境へ移行する際のハードルを大きく下げたアップデートとして注目されます。
