
オープンソースで「Windows互換」を目指すReactOSが1月22日、ついに30周年を迎えました(公式ニュース)。
ReactOSは「お気に入りのWindowsアプリとドライバーを、信頼できるオープンソース環境で動かす」という壮大な目標のもと、世界中の開発者が参加して続けられているプロジェクトです。FATファイルシステムやレジストリキャッシュ、ZIPのネイティブ展開などをサポートし、Microsoftのゲーム「Hover!」をフルスクリーンで動かせるほど互換性が向上しています。
ReactOSの30年の歴史をざっくり振り返ると次のようになります。
1996〜2003: ReactOS 0.1.0までの長い下積み時代
ReactOSはFreeWin95というWindows 95クローン計画の失敗から生まれました。方向転換により、より堅牢なWindows NT互換を目指すことで現在の基盤が築かれます。
初期はNT風カーネルをゼロから構築する必要があり、進捗は非常にゆっくりとしたものでした。開発者Eric Kohl氏がFreeDOSのcommand.comをWin32アプリ化し、ReactOSのcmd.exeとして採用します。2003年には、ReactOS 0.1.0がリリース(CDブート可能・CLIのみ)されます。
初期は「PEローダーもスレッドもない」ほどの原始的な状態で、「小さな機能追加がすべて大きなマイルストーン」という時代でした。
2003〜2006:0.2.x で急成長、そして試練
この時期はGUIやドライバーが急速に整備され、一般ユーザーの注目も集まりました。しかし、Windowsのリークコード流用疑惑が浮上し、プロジェクトは一時的にコード監査と開発凍結を決断します。これは知的財産を守るための苦渋の判断でした。

2006〜2016:0.3.x 時代、停滞と前進
監査の影響で開発速度は落ちたものの、重要な進化が続きます。これには、ネットワーク対応や、パッケージマネージャー「Download!」の導入(後のRAPPSの原型)、x86_64 版の開発開始、SATA対応のUniATAドライバー導入(8GB超のパーティション対応)が含まれます。

2016〜現在:0.4.x の成熟
2016年に公開されたReactOS 0.4.0は大きな転換点となりました。Windows Explorerに近い新しいシェルを導入し、WinDbgによるカーネルデバッグにも対応します。数カ月ごとにアップデートされるようになり、0.4.14と0.4.15ではそれぞれ数年にわたる改善が行われました。また、x86_64版も実用レベルに近づいています(ただしWoW64非対応で制限もあり)。

ReactOS の未来:次の10年に向けた開発
現在、ReactOSの裏側では多数の大型プロジェクトが進行中です。
- 新ビルド環境RosBE
- 新しいNTFSドライバー
- 新ATAドライバー
- マルチプロセッサ(SMP)対応
- UEFI Class 3対応
- カーネル/ユーザーモードASLR
ReactOS は30年かけて、Windows互換という極めて難しい目標に挑み続けてきました。完全互換にはまだ距離があるものの、「オープンソースでWindowsを再実装する」という唯一無二の試みは、世界中の開発者を惹きつけています。
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タイトル | ReactOS |
|---|---|---|
| 公式サイト | https://reactos.org/ | |
| ソフトアンテナ | https://softantenna.com/softwares/34-reactos | |
| 説明 | Windows NT互換を目指すオープンソースのOS。 |

