Microsoftが開発中の新しいOS「Windows 10X」では、一部制限はあるものの大部分のWin32デスクトップアプリがそのまま実行できることが分かりました(Windows Latest)。
Microsoftが、Microsoft 365 Developer Dayに公開した動画の「How Windows 10X runs UWP and Win32 apps」には、Windows 10XがUWPやwin32アプリをどのように実行するかという仕組みが詳しく説明されています。
これによると、従来のレガシーアプリはWin32 Containerと呼ばれるコンテナ内で動作し、システムユーティリティやPhotoshop、Visual StudioなどさまざまなタイプのWin32デスクトップアプリが動作可能な模様。アプリの実行のためコンテナ内に独自のWindowsディレクトリやカーネルが含まれ、組み込みのドライバーやレジストリもサポートされているそうです。
Win32コンテナは仮想マシンのように動作し、実行中のWin32アプリが存在しない場合はシャットダウンされて、システム全体のパフォーマンスの向上やバッテリー持続時間の延長を図ります。従来の仮想マシンとは異なり、レイテンシの改善や、より多くのリソースへのアクセス提供といった特長を持っています。
ただしコンテナ内で動作するレガシーアプリには制限もあり、アプリごとにハードウェア(カメラなど)へのアクセス許可を設定することができません。そのかわりコンテナ全体で有効・無効を切り替えることは可能です。
またWindows 10Xではシステムトレイに常駐するアプリや、ファイルエクスプローラーのアドオン、マウスやキーボード、Windowをフックするアプリケーションなどは作成することもできないようです。
Microsoftはレガシーアプリのパフォーマンスはほぼネイティブ環境と同じだと約束していますが、実際の性能がどの程度なのかまだ判断できない状況です。