Microsoftのエンジニア、Windowsのタスクバーで「秒」を表示しなかったのかの理由を解説

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Windowsのタスクバーには日付や時刻を表示することはできますが、標準では「秒」が表示されることはありません。正確な時刻を知りたい場合、秒まで表示された方が便利だと思いますが、なぜ表示できなかったのでしょうか?

Windowsに詳しいMicrosoftのシニアエンジニアRaymond Chen氏は、ブログ記事「The ongoing story of seconds on the taskbar」でこの理由を詳しく説明しています。

記事によると、もともとWindows 95のベータ版では秒表示が実装されていたものの、メモリ消費やシステム負荷の問題で削除されたとのこと。ハードウェアの要件が緩和された後も、秒単位の更新は、何百もの時計を更新する必要があるターミナルサービス環境で負担が大きくなるため、長らく採用されなかったそうです。

2023年にWindows 11でついにタスクバーに秒を表示するオプションが追加されることになりますが、このオプションはデフォルトでは無効になっており、「電力消費が増加します」という警告が表示されています。

タスクバーチームは、エネルギー効率チームを納得させるために消費電力のテストを行い、予備的な測定ではデフォルト設定で0.417mWのエネルギーを消費していたのに対し、秒を有効にした場合、エネルギー使用量が5.42mWと10倍以上になることを確認しています。

ノーパソコンのディスプレイの消費電力が消費電力が200mWから1100mWの範囲(16インチ100nitの場合)だということを考えると、それほど悪い数字ではないように思えますが、標準状態より消費電力が増えていることは確かです。

秒表示機能単体では消費電力の増加はわずかですが、Windowsの開発チームは、システム全体の省エネ戦略を推進中で、例えばWindows Updateを低炭素エネルギーの供給が多いタイミングで実行するなど、さまざまな対策を講じています。これが秒表示がデフォルトで有効になっていない理由だといえそうです。

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