Appleは先日開催された開発者会議「WWDC20」で、今後2年の間にMacのプロセッサをIntelから、独自のAppleシリコンに移行するという計画を明らかにしました。
移行によって特にエミュレーター関連のソフトがこれまで同様に動作するかどうか状況が不明ななか、Wineの開発者が64ビットARMシステムをサポートするための作業に着手したことが判明しました(Phoronix)。
Wineの開発者Martin Storsjo氏がmacOS + ARM64サポートの実験を開始し、パッチを当てたWineの上で「小さなテスト実行ファイル」を動かすためのコードを作成しているとのことです。
これまでもWineでは、Windows RTや、Android、ChromebookなどARMデバイスをサポートするための開発が進められてきました。しかしARM64上のmacOSには独自の課題が存在し、例えば大きなページサイズや、アドレス空間の下位4GBに何もマッピングしていない、メモリマッピングが書き込みと読み込みが同時にできないなどのアーキテクチャの違いを考慮する必要があるそです。
すぐに、x86_64版のWindows用ゲーム/アプリケーションをmacOS ARM64で実行できるようになるというわけではないようですが、macOS ARM64対応へ向けた作業が始まったことがわかります。