AIの発達によって既存の職業が不要になるのではないかとの不安が囁かれています。
例えば、AIによるコードの生成によって、プログラマーが不要な時代がやってくるとのみかたもあるなか、開発者のSimon Willison氏は「AI-enhanced development makes me more ambitious with my projects(AIを活用した開発で、プロジェクトに意欲的になれる)」と題したブログ記事を公開し、開発者がAIを自分のプロジェクトで積極的に活用し、開発効率を向上させる方法を説明しています。
同氏は、ChatGPTとGitHub Copilotによって物事を理解する時間を大幅に節約することができるとし、Bashでforループを書く方法から、JavaScriptでクロスドメインのCORSリクエストを行う方法まで、調べる必要すらなく、ただ質問すれば80%の確率で正しい答えが返ってくると説明しています。
これは、単に生産性を上げるだけでなく、プロジェクトに時間を割く価値があるかどうかの判断基準を低くすることにもつながり、従来役に立つところまで持っていくのに1日、あるいは何日もかかってしまうために、あきらめてきたアイデアを実現できるようになるとしています。
同氏はそのようなミニプロジェクトの実例として、ChatGPTのメッセージをアーカイブするシステムを紹介しています。「ChatGPTのサイトでJavaScriptを実行し、JSONデータを取得して自分のサーバーに送ったらどうだろう?」と思い立ち、ChatGPTに質問しながらアイデアを実現していきます。
具体的な質問と回答の全文が公開されており、最終的にできあがった、デモプロジェクトもアクセス可能です。
同氏はChatGPTのアーカイブプロジェクトは、この数ヶ月の間にAIの助けがなければ取り組めなかったものの一例だとして、AIを活用したその他の事例も紹介しています。
- ChatGPTを使ってdataset-chatgpt-pluginプラグインを構築するために必要なOpenAIスキーマを生成して、ChatGPTの人間の言語の質問に、データセットに対して実行されるSQLクエリで答えられるようにした。
- ChatGPTを使ったAppleScriptの書き方では、ChatGPTを使って、ノートデータを解放するのに十分なAppleScriptをようやく見つけ出し、apple-notes-to-sqliteを構築したことを説明している。
- datasette-paste-tableはまだ使える状態ではないものの、ChatGPTを使ってそのための最初の対話型プロトタイプを作った。
- gitのログ出力をjqでJSONに変換するのは、ChatGPT-transcriptを使ったこちらの記事に書いてある通り。
- ChatGPT、Copilot、Advent of Codeを使ったRustの学習では、ChatGPTを使って全く新しい(私にとって)プログラミング言語を学習しようとした初期の試みの1つを紹介。
開発者のコミュニティHacker Newsでもこの記事に関する議論が行われており、AIを利用した開発にチャレンジしている開発者からのポジティブなコメントが多数寄せられています。AIを敵ではなく味方にするための方法を探している方は参考にしてみてはいかがでしょうか。