Chrome開発チームは4月6日(現地時間)、現在ベータ版が公開されているChrome 113で、WebGPUがデフォルトで利用できるようになった事を発表しました(Phoronix)。
WebGPUは新しいWebグラフィックスAPIで、同じグラフィックスを表示する場合でもJavaScriptの作業負荷が大幅に軽減され、機械学習モデルの推論が3倍に以上向上するなどの大きなメリットがあります。これはより柔軟なGPUプログラミングと、WebGLが提供しない高度な機能へのアクセスによって可能となります。
WebGPUの初期リリースは、ChromeOS、macOS、Windowsで利用でき、他のプラットフォームのサポートは今年後半に予定されています。
WebGPUの特徴に関しては次のように説明されています。
WebGPU is a new API for the web, which exposes modern hardware capabilities and allows rendering and computation operations on a GPU, similar to Direct3D 12, Metal, and Vulkan. Unlike the WebGL family of APIs, WebGPU offers access to more advanced GPU features and provides first-class support for general computations on the GPU. The API is designed with the web platform in mind, featuring an idiomatic JavaScript API, integration with promises, support for importing videos, and a polished developer experience with great error messages.
WebGPUは、最新のハードウェア機能を利用し、Direct3D 12、Metal、Vulkanと同様にGPU上でのレンダリングと計算操作を可能にする、Web向けの新しいAPIです。WebGLファミリーのAPIとは異なり、WebGPUはより高度なGPU機能へのアクセスを提供し、GPU上の一般的な計算のためのファーストクラスのサポートを提供します。このAPIは、Webプラットフォームを念頭に置いて設計されており、慣用的なJavaScript API、promiseとの統合、ビデオのインポートのサポート、優れたエラーメッセージによる洗練された開発者体験が特徴です。
This initial release of WebGPU serves as a building block for future updates and enhancements. The API will offer more advanced graphics features, and developers are encouraged to send requests for additional features. The Chrome team also plans to provide deeper access to shader cores for even more machine learning optimizations and additional ergonomics in WGSL, the WebGPU Shading Language.
このWebGPUの初期リリースは、将来のアップデートと機能拡張のためのビルディングブロックとして機能します。このAPIは、より高度なグラフィックス機能を提供する予定であり、開発者は追加機能に関するリクエストを送ることが推奨されます。また、Chromeチームは、WebGPU Shading LanguageであるWGSLにおいて、シェーダーコアへの深いアクセスによる機械学習の最適化と人間工学の追加を提供する予定です。
Firefoxや他のブラウザも、W3C WebGPU APIをサポートするための作業を続けています。WebGPUのワーキングドラフトはW3.orgで確認可能です。