iPhoneにはバッテリーの残量が少なくなった際、低電力モードを使用してバッテリーを長持ちさせることができます。低電力モードではiPhoneの一部の機能が使用できなくなりますが、そのかわりバッテリーの消費電力がすくなくなり、結果としてバッテリーの持続時間が延びるのです。
今回カリスマ開発者Marco Arment氏は、Macでも低電力モードがあれば大変有効であるということを最新の13インチ版MacBook Pro 2018を使用して検証しています。
同氏はまずMacBookでも以下のような機能を実行することで、バッテリー持続時間を延長することができると指摘しています。
- 15インチMacBook ProではdGPUを無効化する
- 写真アプリの同期を停止する
- Spotlightインデックスを停止する
- Time Machineバックアップを無効化する
- ソフトウェアアップデートのダウンロードやインストールの停止
- iTunesコンテンツのダウンロードの停止
- 短時間画面を暗くする
- サードパーティアプリが低電力モードを検出しバックグラウンド動作を停止
しかしとりわけ効果が高いのは、「Turbo Boostを無効化する」ことで、Voltaとよばれるソフトウェアを使用してTurbo Boostを無効化したり、消費電力を制限することで大きな効果が得られることを実証しています。
Turbo Boost無しでも十分高速
同氏は15インチのMacBook Pro 2015(2.2GHz quad-core i7)と、13インチのMacBook Pro 13インチ(2.7GH quad-core i7)を用い、Turbo Boostの有無あるいは消費電力ごとに、バッテリー持続時間や、GeekBenchスコア、xcodebuildの時間を比較しています。
Turbo Boostを無効化したり電力を制限すると、処理能力が犠牲になるかわりにバッテリー持続時間が長くなることがわかります。
興味深いのはMacBook Pro 2015の通常状態のGeekBenchスコアが3963/13864なのに対し、MacBook Pro 2018ではTurbo Boost無しの状態でもGeekBenchスコアが3624/13324とほぼ同じ値になっていることかもしれません。この場合性能は同じ程度でも、バッテリー持続時間は3時間36分から5時間5分に大幅に上昇しています。
CPUの処理能力や電力効率の向上、SSDの高速化などによって、最近のMacBook ProがTurbo Boostなしでも十分な速度を確保できていることがわかります。
同氏は Turbo Boost Switcher Proを使用して、Turo Boostを無効化する恩恵を受けているとしながらも最終的にはMacに低電力モードが実装されることを望んでいるとまとめています。