Microsoftが2025年4月9日に公開したOffice 2016向けの最新のセキュリティアップデートKB5002700を適用した環境で、Word、Excel、Outlookに関する問題が発生していることがわかりました(Windows Latest)。
まず、WordとExcelがクラッシュするという問題が報告されています。アプリを開いても正常に動作せず、「新規ドキュメント」や「スプレッドシートの作成」を試みると、アプリが応答しなくなり、クラッシュした際に、未保存のデータが失われる可能性もあるとのことです。
Outlookに関しては、カレンダーの表示に不具合があり、カレンダー画面を開くとOutlookがクラッシュするそうです。メールの送受信は問題なく動作するものの、カレンダー機能を利用すると強制終了するという報告も行われています。
問題の回避策
現在完璧な問題の回避策は見つかっていませんが、Outlookの場合は「オプション > カレンダー」から「天気予報表示」をオフに変更し、Wordの場合は「Adobe PDF Maker COMアドイン」を無効化することでクラッシュを軽減できる可能性があります。
またKB5002700をアンインストールする方法も有効ですが、KB5002700はWindows Update経由で自動インストールされるため、通常の「プログラムと機能」からは削除できません。
レジストリエディターを使用してOffice 2016のインストール情報を取得し、コマンドプロンプト経由で削除する必要があります
※更新: 「wusa /uninstall /kb:5002700」でアンインストールできるという情報もあります。wusaでアンインストールできない場合に以下の手順を実行することをおすすめします。
1. レジストリエディターで Office GUID を確認
- Windows の検索バーに
regedit
と入力して Enter。 - 以下のキーへ移動:
- 64bit Windows:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall
- 32bit Windows:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall
- 64bit Windows:
- 「Microsoft Office Professional Plus 2016」など、Office 2016 に関連するキーを探す。
- そのキー内の
DisplayName
を確認し、実際にインストールされている Office のバージョンと一致するか確認。 - キーの名前(例:
{90160000-0011-0000-1000-0000000FF1CE}
)をコピー。これが Office GUID。
2. 更新プログラムのダウンロードと展開
- Microsoft Update Catalog にアクセスし、KB5002700 を検索。
- ダウンロード後、コマンドプロンプトを開き、ファイルの保存先に移動:
cd C:\Users\YourUsername\Downloads
- 次のコマンドで展開:
mso2016-kb5002700-fullfile-x64-glb.exe /extract:C:\KB5002700
3. 更新プログラムの GUID(Revision)を確認
C:\KB5002700
フォルダを開き、MSP ファイルを右クリック。- 「プロパティ」→「詳細」タブ→「改訂番号(Revision Number)」をコピー。
- これが Update GUID。
4. 更新プログラムをアンインストール
- コマンドプロンプトで以下を実行(GUIDは実際の値に置き換える):
msiexec.exe /package {OfficeGUID} /uninstall {UpdateGUID} /qn
5. PC を再起動
アンインストールが完了したら、PCを再起動する。