なぜプログラマーは文章を書くべきなのか

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プログラマーは日々コードを書いていますが、「文章を書く」ことには消極的な人が少なくありません。

GitHubのREADMEやコメント、チケットのやりとりなどでテキストに触れていても、「記事を書く」「ブログを書く」ことは別物と感じる人も多いでしょう。

しかし、開発者のRafael Quintanilha 氏はブログ記事「Why every programmer should write」で、「書く」という行為こそがプログラマーにとって強力な武器になると説いています。ただのアウトプットではなく、技術を深め、キャリアを育て、さらには思考力までも鍛える。そんなポテンシャルを「書くこと」は秘めていると主張しています。

書くことは「技術的な証明」になる

Quintanilha氏が最初に記事を投稿したのは 2015年6月18日で、内容はMeteorフレームワークを使った JSON→CSV変換というニッチなものでした。10年後のいま、その記事はもはや実用的とは言えませんが、同氏が「10年間現場で書き続けてきた」という事実の証明になっています。

これはキャリアのタイムスタンプとなっていて、記事が派手にバズらなくても、淡々と知識を記録し続けていくことで、確かな積み重ねを可視化することができるのです。

同氏は、「自分には書くことがない」と思っても、毎日の開発の中で学びや工夫は確実にあり、それを残すことが、自分自身を後押ししてくれることになると強調しています。

書くことは「コミュニケーションの技術」

現代の開発はほぼ例外なくチームプレイで、クライアントやステークホルダー、同僚たちと「意図や課題を共有する力」が求められます。特にリモートワークが主流となった今、非同期的な文章でのやりとりの精度は死活問題です。

Quintanilha氏はほかにも、書くことのメリットして「ラバーダックデバッグ」。つまり、問題を「誰か」に説明する過程で自分の理解が深まり、しばしば答えに辿り着くという手法を紹介しています。

「書いてみたら答えが見つかった」という経験がある方は多いかもしれませんが、書くことは、自分の考えや疑問を整理し、他者と共有可能な形に変換するスキルでもあるのです。

書くことは「思考のトレーニング」

技術力を伝える手段であり、コミュニケーション手段でもある「書くこと」ですが、Quintanilha氏が最終的に強調するのは、書くことが思考そのものを鍛えるという事実です。

「自分は本当にこの技術を理解しているのか?」 「なぜそれを選ぶのか?」 「そもそも、何を求めているのか?」

こういった問いは、書くことによって初めて浮かび上がってきます。無自覚な前提や認識の曖昧さをあぶり出し、「分かっている」から脱却するプロセスです。

AIがコードを高速に生成する時代に、競争力とは「書けるコードの量」ではなく、「人間にしかできない思考」にこそあるのかもしれません。

まとめ

Quintanilha 氏は「人間と機械の両方のために書く」としながらも、「まずは自分のために書け」と繰り返し主張しています。 書くことで深まるのは、他人の理解ではなく、自分の理解で、読者の多寡に左右されることなく、目の前の学びや気づきを言語化し、積み重ねていくことが、自分の価値を最大化する確かな方法だとまとめています。

Redditでもこの記事に関する議論が行われていて、多くのユーザーが、「書くことで自分の理解が深まる」「考えが整理される」といった点に共感を示しています。

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