マトリックス型の二次元コード「QRコード」。当初は自動車部品工場や配送センターなど産業界で利用されていた技術ですが、現在スマートフォンから読み取り、Webサイトへのアクセスを簡単化するといった用途でも利用されています。
今回紹介する「qr-filetransfer」は、このQRコードをファイル転送のために利用するユニークなツールです。
ツールを実行すると、ファイル転送用の一時的なWebサーバーが起動し、そのアドレスがQRコードに変換されます。スマートフォンでQRコードを読み取れば、そのWebサーバーからファイルをダウンロードすることができるという仕組みです。
マルチプラットフォーム対応のgoで書かれていてOSを選ばず、読み取り側も特定のツールに制限されていないためワイヤレスでファイルを転送するための汎用性の高い方法といえそうです。
以下使用法を説明します。
qr-filetransferの使用方法
「go get」を利用してインストールします。
go get github.com/claudiodangelis/qr-filetransfer
すぐに実行したいところですが、ネットワークインターフェイスにIPv6アドレスが割り当てられていると、記事執筆時のバージョンではうまく動かないようです。
このため事前にIPv6を無効化してから実行します。Macの場合以下のコマンドを実行します(Wi-Fiの場合です。システム環境設定のネットワーク設定で有効にもどせます)。
sudo networksetup -setv6off Wi-Fi
qr-filetransferを実行します。
qr-filetransfe ファイル名
初回実行時はネットワークインターフェイスを選択する必要があります。ifconfigコマンド等で、実際にIPアドレスが割り当てられているネットワークインターフェイスを確認しておき、その番号を入力します。おそらくen0やen1になると思います。
▲うまくいくとQRコードが表示されます。このときターミナルのフォントによってはQRコードの表示が乱れるかもしれません。画像のフォントは「Andale Mono」の14ポイントです。
表示されたQRコードをスマートフォンで読み取ります。
▲iPhoneの場合標準のカメラアプリで読み取り可能です。ダウンロードが完了すればiPhoneのローカルストレージ、iCloudやDropboxなど任意の場所にファイルを保存することができます。
まとめ
qr-filetransferを利用すればQRコードを利用しデスクトップPCからスマートフォン等にファイルを簡単に転送できます。仕組みもシンプルで、IPv6アドレスへの対応が行われればさらに使いやすいものになりそうです。