Appleが発売したM1チップを搭載した新しいMacでは、Intelプロセッサ向けのこれまでのMacアプリを直接動作させることができません。Appleが用意した変換レイヤーである「Rosetta 2」を利用して動作させることになりますが、初回実行時は思った以上に時間が必要となるかもしれません。
Microsoftは今週、Appleシリコン搭載Macで、同社のMacアプリ(Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNote、OneDrive)を起動し、Rosetta 2の変換プロセスが終了するまで、約20秒ほど時間がかかったことを明らかにしてます(MacRumors)。
サポートドキュメントには以下のような内容が含まれています。
Are there any performance considerations for running Office under Rosetta 2 translation?
The first launch of each Office app will take longer as the operating system has to generate optimized code for the Apple Silicon processor. Users will notice that the apps 'bounce' in the dock for approximately 20 seconds while this process completes. Subsequent app launches will be fast.
「各Officeアプリの最初の起動には、オペレーティングシステムがAppleシリコンプロセッサ用に最適化されたコードを生成する必要があるため、時間がかかります。このプロセスが完了するまでの約20秒間、アプリがドックで「バウンド」することに気づくでしょう。その後のアプリの起動は高速になります」とのこと。幸い2回目以降は通常通り待たされずに起動できることがわかります。
実行ファイルにIntelチップ向けの命令が含まれてる場合、macOSは自動的にRosettaを起動し、変換プロセスを開始します。変換プロセスが終了するとシステムはオリジナルではなく変換された実行ファイルを起動するのです。
この変換プロセスを回避するためには、開発者はユニバーサルバイナリに対応したアプリを作成する必要があります。ユニバーサルバイナリは1つの実行ファイルで、AppleシリコンとIntelプロセッサに対応し、両方のMacでネイティブに実行できるのです。
他の多くの開発者と同様、Microsoftもこの取り組みを進めており、今後はRosettaの待ち時間なしにOfficeアプリが起動できるようになる事が期待されます。