オープンソースのインフラソフトウェアを開発する組織Trifecta Tech Foundationは5月6日、Ubuntu 25.10で、「sudo-rs」という、Rustで書かれたメモリ安全なsudoの実装がデフォルトで採用される予定であることを発表しました(Phoronix)。
Canonicalによるシステムの耐障害性を向上させる取り組みの一環で、sudo-rsにより、従来のsudoに存在するメモリ安全の問題を排除し、信頼性や安全性を向上させることを目的としています。
Canonicalは、「慎重かつ目的を持ってRustを導入」する方針を掲げていて、システムの耐障害性とメンテナンス性を高めるためにsudo-rsを採用しています。「sudo-rsを導入することでLinux全体の発展を促進したい」とCanonicalの技術責任者はコメントしています。
sudo-rsはUbuntu 25.10でデフォルトとして採用され、最低12年間の長期サポートが提供されるUbuntu 26.04 LTSにも導入されます。メインストリームでの採用に向けて、sudo-rsのメンテナは、以下の作業を完了する予定です:
- Linux での粗い粒度のシェルエスケープ防止((NOEXEC)
- AppArmorプロファイルを制御する機能
- sudoedit
- Ubuntu 20.04 LTSで使用されているバージョン5.9より古いLinuxカーネルのサポート
sudo-rsの開発チームは、30年以上sudoを管理してきたTodd Miller氏とも協力し、必要な機能を維持しつつ、簡潔な設計を追求する計画を立てています。このために、「従来のsudoの機能のうちあまり使われないものは実装しない方針」を採用しています。
UbuntuではGNU Core UtilitiesをRustで置き換る計画も進行中で、Rust導入のための準備が着々と進んでいます。