2026年6月11日に公開されたWindowsの月例更新プログラムを適用した後、富士通製の一部PCが起動しなくなる不具合が報告されていることがわかりました(PC Watch)。
大塚商会のサポートページによると、不具合が起きているPCは2015~2017年に発売された特定機種の「ESPRIMO」シリーズだとのこと。メーカーロゴの画面から先に進まず、BIOSにも入れない状態になり、CMOSクリアやハードウェアの最小構成で電源を入れても症状が改善されないといった事例がSNSなどに報告されています。
また、Microsoftのフォーラムでも、Windows 10の更新プログラムKB5060533適用後に発生した、Fujitsu Esprimo P556/e85+ の動作不良について議論が行われています。
寄せられた情報によると、やはり、アップデート後にFUJITSUのロゴ画面でフリーズし、BIOS にアクセスできなくなるそうで、企業内で多くのPCが使用不可能になっている模様。
不具合の原因はまだはっきりしていませんが、富士通からの非公式確認によるとセキュアブートやBIOSに関連する問題である可能性が高いとされています。問題の解決のためにはBIOS復元を実施する必要がありますが、ジャンパーピンの設定を変更するといった複雑な作業が必要となるそうです。
復旧にはジャンパーピンの差し替えが必要か
USBブートメディアの作成:
- Fujitsu サポートサイトからBIOS復元用のツール「Admin package - Compressed Flash Files」を取得する(ただし一部のリンクが無効になっているため、代替リンクを探す必要あり)。
- FAT32形式でUSBドライブをフォーマット、USBに展開する。
PCの復元準備:
- キーボード、マウス、USB機器、SATA接続のHDDやSSD を取り外し、電源ケーブルと映像出力のみ を接続した状態にする。
- マザーボード上の特定のジャンパーピンを 左側に1つ移動(これにより強制BIOS復元モードが有効化される)。
BIOS復元の実施:
- USBメディアを挿入しPCを起動。Fujitsu ロゴが表示されないことを確認し、数分後、「restore successful」の表示が出れば復旧完了。
- PCの電源を切り、ジャンパーピンを元に戻す。
- USBメディアを取り外し、周辺機器を再接続
ファームウェアアップデート:
- Windows にログイン後、「Windowsのオプション更新」からFirmware 1.33を適用。
- BIOSの問題が解消され、PCが正常に動作することを確認。
なお、ジャパンパーピンの位置はマザーボードによって異なりますが、通常BIOSチップの近くに配置され、「CLR CMOS」や「BIOS Recovery」などのラベルが付いている場合があります。Fujitsu D3400の場合、マザーボード上端付近にあり、2〜3本のピンが並んでいることが多いとのこと。公式マニュアルの回路図を参照するのが確実です。
富士通ESPRIMO Windows Update問題の復旧手順、ざっくり説明すると
①USB起動ディスク作成とBIOSの用意
②マザーボード内部のフロントパネルのジャンパピンをBIOSリカバリ用の位置に差し替え
③映像出力と電源以外のすべての機器の接続を解除
④①を接続して電源オンで放置って感じですね https://t.co/1ev1Hgo7lr pic.twitter.com/OstQ6yuVEh
— わかみー (@wakamie17) June 13, 2025