
MicrosoftはWindows 11で、アプリの起動をより高速化する新機能「Accelerated App Launch(高速化されたアプリ起動)」の導入を進めています。Microsoft Edgeが最初の対応アプリとなっており、将来的には他のWindowsアプリにも広がる可能性があります。
Windowsのシングルインスタンス対応アプリで起動中のアプリを再度開こうとした場合、一度新しいプロセスを立ち上げてから既存のアプリへ処理を引き渡し、その後そのプロセスを終了する仕組みが使われていました。

しかし、この中継役となるプロセスは実際には不要な存在で、特にPCが負荷の高い状態では起動遅延の原因になっていました。新しい仕組みではWindowsが直接起動中のアプリへ要求を送るため、余計な手順を省いてアプリを素早く開けるようになります。
効果があるのは「すでに動いているアプリ」
今回の高速化は、アプリがバックグラウンドで動作している状態、いわゆる「ウォーム起動」に対して有効です。
たとえばEdgeは「Startup Boost」機能によって、ウィンドウを閉じた後も一部のプロセスがバックグラウンドで残る場合があります。その状態でタスクバーやリンクから再度Edgeを開くと、新方式によってより速く表示されるようになります。
一方で、PCを再起動した直後に初めてEdgeを起動するケースでは、従来と大きな違いはありません。あくまで起動済みのアプリを再び呼び出す場面で効果を発揮する仕組みです。
実機テストでも体感できる改善
Microsoftは2026年10月16日、Release Previewチャネル向けにKB5127936を公開し、その中でEdgeのAccelerated App Launchを段階的に展開しています。
Windows Latestは、4GBメモリの仮想マシン環境で検証を行い、更新前はMicrosoft Storeやペイントが起動している状態でEdgeを開く際に明確な待ち時間があったのに対し、更新後は同じ条件でもEdgeが大幅に素早く開くことを確認したと主張しています。
今後は他アプリにも拡大か
Microsoftはこの機能をEdge専用にはせず、開発者向けAPIとして提供しています。ただし現時点では「Limited Access Feature」とされており、利用にはMicrosoftから提供されるトークンが必要です。
このため、すぐにSpotifyやDiscordなど他のアプリが対応できるわけではありませんが、MicrosoftがAPIを広く開放すれば、バックグラウンドで動作する単一インスタンス型アプリの多くが恩恵を受ける可能性があります。
なお、これまでMicrosoftは、EdgeのStartup BoostやOfficeの事前読み込み機能など、バックグラウンドでアプリを待機させることで起動速度を改善してきました。しかし今回の新機能は、メモリを追加消費して待機させるのではなく、不要な処理そのものを削減するアプローチとなています。
常駐プロセスを増やすのではなく、起動経路を短縮して応答性を高める仕組みであり、よりスマートな最適化と言えるでしょう。
まとめ
Windows 11でテスト中の「Accelerated App Launch」は、アプリ起動時に発生していた不要な中継プロセスを排除することで、特にマルチタスク環境における応答性向上を目指す新機能です。まずはEdgeから導入が始まっていますが、将来的に他のWindowsアプリへ広がれば、Windows 11全体の操作感改善につながる可能性があります。単なるプリロードではなく、無駄な処理をなくして高速化するという点で、今後のWindows最適化の方向性を示す興味深い取り組みと言えそうです。
