
開発者のYeo Kheng Meng氏が、Windows 98 SEをはじめとする旧世代Windowsで、USB4やThunderbolt 3/4を利用可能にする実験的ドライバー「xHCI98 v3.0.0.0」を公開しました。
このドライバーは、Windows 98 SE、Windows Me、Windows 2000、Windows XP、Windows Vista、Windows 7を対象とし、現代のUSB 3.x、USB4、Thunderbolt 3/4コントローラーを利用可能とするものです。
近年のPCはUSB 3.xベースのxHCIコントローラーのみを搭載しているケースが多く、古いOSはそれらを認識できません。その結果、キーボードやマウス、USBメモリでさえBIOSのレガシーUSBサポートに頼ることになり、ホットプラグが使えなかったり、USB接続のLANアダプターやオーディオ機器が正常に動作しなかったりします。
開発者はこの問題を解決するためにxHCI98を開発したと説明しています。
単なるUSBドライバーではない
xHCI98の特徴は、USBメモリを認識させるだけではない点にあります。Windows標準のUSBポートおよびハブドライバーを置き換えることで、USB 1.1やUSB 2.0機器はもちろん、USB 3.xデバイスやハブにも対応します。さらに、追加ドライバーによってUSB Attached SCSI(UAS)ストレージや、Thunderbolt 3/USB4対応ドック、NVMe外付けケースまで扱えるようになります。
公開されているデモ動画では、2020年製ThinkPad P14s Gen 1上のWindows 98環境で様々なUSB機器をホットプラグする様子が紹介されており、その実用性の高さを確認できます。
AIと共同開発されたドライバー
このプロジェクトで特に興味深いのは、AIが重要な役割を果たしたことです。Meng氏によれば、開発計画にはClaude Fable 5.1、実際のコーディングにはClaude Opus 5.5、レビューにはCodex GPT 6 Astraを利用したとのことです。
個人開発者がAIを活用することで、かつてなら大規模チームでなければ難しかった低レベルドライバー開発が可能になっている点は非常に興味深いところです。
まとめ
現段階ではドライバーはまだ実験的なものであり、開発者自身もバグの存在を認めています。主な検証環境はIntel製プラットフォームで、すべての環境での動作が保証されているわけではありません。
それでも、四半世紀以上前のOSで現代のUSB4・Thunderbolt環境を動かそうという挑戦は、レトロコンピューティングの世界に新たな可能性を示しています。かつての名作OSを最新ハードウェアで活用したいユーザーにとって、xHCI98はまさに夢のようなプロジェクトと言えるでしょう。
[via Tom's Hardware]
