
2026年6月のWindows 11/10向け月例アップデート(KB5094126、KB5093998、KB5094127)では、フォルダーの外観をカスタマイズするdesktop.iniの扱いが大きく変わりました。
これらの更新プログラムを適用した環境では、一部のカスタムフォルダー名やアイコンが突然表示されなくなるケースがありますが、これは不具合ではなく、Microsoftが意図的に導入したセキュリティ強化策です。
何が変わったのか
今回の変更に関しては公式サポートドキュメント「Custom folder icons or localized folder names might not appear after installing the June 2026 Windows security update」で詳しく説明されています。
Windowsはこれまで、desktop.iniに書かれた情報を自動で読み取り、フォルダーのアイコンや名前をカスタマイズすることができました。しかし、この仕組みは古くから攻撃に悪用される可能性があると指摘されていました。
今回のアップデートにより、「信頼できない場所にあるdesktop.ini」からのカスタマイズをWindowsが無視するようになりました。対象となるのは以下のようなケースです。
- インターネットからダウンロードされ、Mark-of-the-Web(MOTW)が付いたファイル
- 一部のWebDAV/HTTPベースのリモート場所からコピーしたファイル
- 信頼済みゾーンに分類されていないネットワークパス上のファイル
これらは「出所が不明または不確実」と判断され、カスタム表示がブロックされます。
desktop.iniはWindows XP時代から存在する仕組みで、シェルが自動で読み込むという特性があります。そのため、攻撃者が細工したdesktop.iniをネットワーク共有に置くだけで、ユーザーがフォルダーを開いたタイミングで攻撃を実行することができるというセキュリティリスクが存在しました。今回の変更は、この古い攻撃を塞ぐためのものです。
元の動作に戻したい場合の選択肢
Microsoftは管理者向けに、以下の3つの対処方法を案内しています。
- 信頼できる場所をTrusted Sitesに追加(推奨)
内部ネットワークなど、確実に安全な場所であれば、信頼済みとして登録することでdesktop.iniが通常どおり適用されます。 - ポリシーで旧動作に戻す
「Allow the use of remote paths in file shortcut icons」を有効にすると、アップデート前の挙動に戻せます。ただし、セキュリティリスクが増すため非推奨です。 - Mark-of-the-Web(MOTW)を削除する
PowerShellのUnblock-FileコマンドでMOTWを外すと、desktop.iniが再び有効になります。ただし、本当に安全なファイルにのみ実施すべきとされています。
一つのdesktop.ini:Unblock-File "C:\Your\Folder\Path\desktop.ini"
フォルダ内のすべてのdesktop.ini:
Get-ChildItem "C:\Your\Folder\Path" -Recurse -Filter desktop.ini -Force | Unblock-File
ただし、Microsoftは、広範囲に旧動作へ戻す設定を行うことに対して、強く注意喚起しています。「信頼できる内部ソースだけを例外にし、基本的には厳格な設定を維持するべき」というスタンスです。
