Appleのハイエンドタブレット「iPad Pro」。一般的にはメディアビューアーやデジタルアートのために使用されることの多いデバイスですが、可能性はそれだけに留まりません。
バックエンドエンジニアとして働くJannis Hermanns氏がiPad Proをメイン開発環境として使用した経験を紹介するブログエントリー「The iPad Pro as main computer for programming」を公開し、Hacker Newsなどで大きな話題を集めています。
同氏は2017年の夏、MacBook ProでDockerを動かすと発熱がひどく、膝の上にのせていられないことから、iPad Proを開発環境として使用することを決意します。結果、BlinkアプリやiOS 11のマルチタスク機能によって、十分実用できることがわかったとしています。
ハードウェアは12.9インチiPad ProとApple製のSmart Keyboardで、iOSでもキーボードショートカットのサポートは充実していて、ブラウザのタブの開閉やロケーションバーへのジャンプ、テキストの検索や選択が可能で、Alfredの代わりにSpotlightを呼び出すことでスムーズなアプリの実行が実現できると説明しています。
サーバ上にtmuxやzsh、neovimを格納したDockerイメージを準備し、iPad ProからBlinkを使ってssh接続することで、ポータブルな開発環境が実現できたとのこと。
以下のようにまとめられています。
良かった点:
- セットアップのポータブル性が高い
- バッテリーが持つ
- スクリーンが素晴らしい(2015 Retina MacBook Proよりも)
- 太ももが熱くならない
- Apple Smart KeyboardはMacBook Proのように使用できる
- タッチスクリーンとApple Pencilのサポート
悪かった点:
- サーバーの準備が必要
- LTEやWi-Fiが必要
- IDEが使えない
- 外部モニターが使えない
- 他のハードウェアが接続できない
今回の設定が有効なのは、ターミナルでログインして作業する事の多い、サーバーエンジニアに限定されるかもしれませんが、iPad Proのさらなる活用方法を探している方は記事を参照してみてはいかがでしょうか。