The Browser Companyは5月27日(現地時間)、「Letter to Arc members 2025」と題したブログ記事を公開し、「Arc」ブラウザーの開発状況と、新しいAIブラウザ「Dia」への移行について詳しく説明しています。
The Browser Companyは、ブラウザが現代の重要なソフトウェアであると考え、より直感的でパーソナルな体験を提供するためにArcを開発しましたが、Arcには以下のような課題があったとのことです。
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成長と維持の問題: 一部のユーザーには好評だったものの、広範な市場に受け入れられるのが難しかった。
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学習コストの高さ: Arc の新機能はユニークだったが、多くのユーザーには習得が難しく、その価値をすぐに感じられなかった。
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製品の一貫性不足: Arc は実験的な要素が多く、主要な機能の統一性が欠けていた。
この課題を解決するため、同社はAIを活用した新しいブラウザ「Dia」の開発に主軸を移すことを決定します。Diaは、AI技術を組み込んでユーザー体験を根本的に変えることを目指しています。
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シンプルさを重視: Arc のように革新的だが、より直感的なインターフェースを採用。
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圧倒的な速度: Arc の課題を克服するため、より軽量で高速なアーキテクチャを構築。
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強化されたセキュリティ: セキュリティエンジニアリングを強化し、AI 時代に適したブラウザを目指している。
Arcの開発は継続されるものの、新機能の追加は行われず、安定性の維持が主な目的となります。オープンソース化については、技術的な課題があるため、現時点では計画されていません。
The Browser Company は、従来のブラウザの概念が今後変わると考えており、DiaのようなAIブラウザが主流になると予測しています。AI による検索やページ閲覧が従来のブラウザの枠を超えて新しい体験を提供すると期待しています。
なおこの唐突にも思える発表はHacker Newsでも話題となっており、一部のユーザーは決定に対する不満と、透明性の欠如を訴えています。また、Diaの開発には、SwiftUIとTCA(Swift Composable Architecture)を使わないと説明されていることから、どのような代替技術が採用されているのか技術面でも注目されています。