従来のESCキーやファンクションキーをタッチパネルで置き換える「Touch Bar」や、iOSデバイスでおなじみの認証機能である「Touch ID」を搭載したMacBook Pro。
こららTouch Barを搭載した新モデルだけではなく、ファンクションキーを搭載した新型MacBook Proでさえ、Linuxと互換性がないことがRedditへの投稿で明らかとなりました。
情報を投稿したhot2氏によると、ファンクションキー非搭載のMacBook ProでUbuntuを起動するには「intremap=nosid」の指定が必要で、この指定がないとGRUBの後真っ暗な画面が表示されてしまう模様。起動後もマウスやキーボードは動作せず、電源ボタンによる再起動だけが可能とされています。
Problems so far,
intremap=nosid is required to even boot with Linux. Otherwise you get a black screen after GRUB.
Built in keyboard and mouse not working. Only the power key works to force reboot (non-touchbar).
さらに最悪な点はNVMe SSDが間違ったPCIクラスIDを持っているので起動ドライブとして動作せず、Ubuntuのインストーラーが内蔵ドライブを認識しない事だと指摘しています。
Linuxカーネルの対応が必要か
この投稿に対してはHacker Newsでも議論が巻き起こっていて、Linuxカーネル開発者であるmjg59氏は、MacBook ProでLinuxを動かす場合、以下のような3つの問題が存在するとコメントしています。
- インプットデバイスがUSBではなくSPIに存在する。AppleのACPIテーブルは標準機能経由でGPIOマッピングを提供していないので、チップセットドライバーが正しくバインドできない。このため別のSPIコントローラーが必要となる。その一つはhttps://github.com/cb22/macbook12-spi-driver/である。長期的にはカーネルがAppleのACPIテーブルを解析できるようになり、ドライバーをマージする必要がある。
- AppleのNVMEハードウェアは間違ったPCIデバイスクラスを使用している(ひょっとしたらNVMEとは完全に互換性がないかもしれない)。Linuxは古いAppleのNVMEハードウェアのエントリーを持っていて、これを拡張していく必要がある
- IRQリマッピングを実行する際ソースIDのチェックが有効になっていると、システムは起動時にハングアップする。問題の詳細はまだ不明。
これら新型MacBook ProでWindowsを動かす場合、Appleがドライバーを提供するため(1)と(2)の問題はクリアーされるようです((3)に関しては不明)。
新型MacBook Proを購入して、いきなりLinuxをインストールしようとする人は、かなりな強者だけに限られると思いますが、念のため覚えておいた方が良いポイントかもしれません。