現在AppleはAppleシリコンと呼ばれるARMベースのチップをiPhoneやiPad、Macで採用しています。
一方、MicrosoftもARM版のWindows 11を提供しており、理論的にはこれらAppleのデバイスでWindowsを動作させることができるはずです。
今回、Windows 11をスリム化した「tiny11」などの開発で知られるNTDEV氏は、M2チップを搭載したiPad Airで、ARM版Windows 11を動作させることに成功したとXに投稿しています
Here is tiny11 arm64 running on an iPad Air M2 using UTM with JIT emulation!
And it actually works quite decently! Just imagine how it would run if virtualization would be possible without jailbreaking. pic.twitter.com/9pHeDEKaig— NTDEV (@NTDEV_) April 19, 2025
同氏は、「UTM」というエミュレーターを使用し、iPad上でWindows 11を動作させています。EUではデジタル市場法(DMA)によりアプリのインストールの自由化が進んでいて、脱獄しなくてもサードパーティのアプリストア「AltStore Classic」を利用すれば、UTMを簡単にインストールすることができます。さらにパフォーマンスを向上させるための「JIT」を有効にすることもできるとのことです。
仮想化されたWindows 11はエミュレーション特有の制約があり、常用環境としては向いていませんが「かなりまともに」動作するとのことです。ただし、NTDEV氏は、Microsoft公式のWindows 11イメージではなく、スリム化したWindows 11である「tiny11」を使用しています。これにより動作に必要なRAMやストレージが減少し、iPad上でWindowsがスムーズに動作することに貢献しているとのことです。
M2チップはMacで使われていることからも分かる通り、デスクトップOSを動作させるための性能を十分に持っています。エミュレーションとはいえ、iPad上でiPadOS以外のオペレーティングシステムを動かすハックが実用段階に近づいてきているといえるかもしれません。
[via Windows Latest]