6日に行われた、第2回将棋電王戦第3局の結果は、将棋ソフトツツカナが船江恒平五段を破り、プロ棋士側2連敗となりました(ニコニコ、朝日新聞、マイナビニュース、slashdot日本版)。この対局ニコ生で観戦していたのですが、一種異様な緊張感があってみているだけで疲れました。
将棋の内容は、まず4手目の後手のツツカナ7四歩で驚愕。定跡にはなさそうな手ですが、プロの序盤戦術にはまるのを避けるための手だったのでしょうか(ツツカナの4手目は△7四歩!)
その後、評価関数上では船江五段が優勢になった局面もあったのですが、ツツカナの予想外の反撃で時間を消費してしまい、終盤の逆転を許してしまいました。時間に追われ、あせりながら必死に戦う船江五段を見てるのは正直辛かったです。
痛い敗戦
この敗戦はプロ棋士側にとって結構な衝撃があるのではないかと思います。それはこの対局に関してプロの有利な条件がいろいろと揃っていたからです。
- プロが先手。
- ソフトの貸し出しあり。
- 船江五段の棋力はレーティング31位(2013年度 棋士ランキング)。しかも詰将棋の名手で受賞歴あり。
- ツツカナはPC1台。
団体戦の中でもかなり勝利が期待できた対局でした。
ちなみに、過去にボナンザに勝利したことのある渡辺明竜王は電王戦第3局についてつぎのように述べています。
・電王戦第3局は△ツツカナの勝ちでした。
双方にチャンスがある大熱戦でしたが、これでコンピューター側が2-1と勝ち越しました。
ここまでの3戦で棋士側が2敗したこと、若手の中でも上位に位置する船江五段にも勝ったことから現役棋士約160人の半分(80)、いや3分の1以上(50)に相当する力がある、という見方をせざるを得ないと思います。第2戦、第3戦の内容から見ても「相当する」であって「超える」ではありませんけども。最終戦でA級棋士の三浦八段が負けるとこの数字がグッと減るのでここは大注目の一戦になります。
現時点では、渡辺竜王はまだソフトに勝てるという見込みを持っていそうです。第2回将棋電王戦はまだ残り2戦残っていますが、もし第3回があるなら渡辺竜王の登場にも期待したいです。