劣化したiPhoneでパフォーマンスが劣化する問題に対し、AppleはiOS 11.3でバッテリーの状態を確認したり、処理速度低下を伴う電源管理機能をオフする新機能を追加しました。
現在この「バッテリーの状態」機能はベータ版として提供されていますが、先ほど述べた基本機能はすでに利用可能となっています。
最近iPhoneの処理速度が目に見えて遅くなったという方、あるいはバッテリーの持ちが悪くなったと感じている方は、この機能を活用してみると原因が判別できるかもしれません。
なお同機能は現在iPhone 6以降のiPhoneでのみ利用可能で、予期せぬシャットダウンを防ぐための新しい電源管理機能はiPhone 6/6 Plus、iPhone 6s/6s Plus、iPhone SE、iPhone 7/7 Plusだけが対象となっています。それより新しいiPhone 8/8 PlusやiPhone Xでもバッテリーの最大容量は確認可能ですが、パフォーマンス管理の対象とはなっていないようですのでご注意ください。
以下この機能の使用法を説明します。
iPhoneの「バッテリーの状態」機能とは
iOS 11.3で導入された「バッテリーの状態」機能に関しては公式ドキュメントの「iPhone のバッテリーとパフォーマンス」にて詳しく説明されています。
このドキュメントによると、同機能では新品時の容量を100%とした場合の現在のバッテリー容量を表示する機能や、新しい電源管理機能による「パフォーマンス管理」が適用されたかどうか確認し、場合によっては無効にする機能が利用できることが分かります。
パフォーマンス管理が適用されたかどうかの観点から考えた場合、iPhoneのバッテリーの状態は以下のように大きく分類することができます。
パフォーマンスが正常な場合
バッテリーの状態が何の問題もない場合、ピークパフォーマンス性能に「お使いのバッテリーは、現在、標準のピークパフォーマンスに対応しています。」と表示されます。このときバッテリーは通常のピークパフォーマンスに対応できる状態であるため、パフォーマンスの低下が発生せず常に最高のパフォーマンスが発揮できてている状態ということになります。
パフォーマンス管理が適用された場合
バッテリーが劣化が起こると「パフォーマンス管理」が適用され、ピークパフォーマンス性能に「この iPhone で、必要なピーク電力をバッテリーが供給できなくなったため、突然のシャットダウンが発生しました…」と表示されることがあります。これはピーク性能を発揮するために必要な電力が供給できず、パフォーマンスを少し落として動作する状態が発生したという意味を表します。
「無効にする…」をタップすると、このパフォーマンス管理機能をオフにできます。
その場合はピークパフォーマンス性能に「この iPhone で、必要なピーク電力をバッテリーが供給できなくなったため、突然のシャットダウンが発生しました。パフォーマンス管理による保護を手動で無効にしています。」と表示されます。
手動でパフォーマンス管理機能を再びオンにすることはできませんが、予期せぬシャットダウンが次に発生したタイミングで自動的にオンになります(その後同様の手順でオフにすることもできます)。
予期せぬシャットダウンのリスクはあるものの、パフォーマンスの劣化が一瞬でも発生してほしくない場合、パフォーマンス管理機能を無効化するという選択が考えられます。
バッテリーが劣化している場合
バッテリーがさらに劣化してくるとピークパフォーマンス性能に「お使いのバッテリーは著しく劣化しています。Apple 正規サービスプロバイダでバッテリーを交換すると、最大限のパフォーマンスや容量を取り戻すことができます…」という情報が表示されます。
このまま使い続けても安全性の問題はないものの、パフォーマンスが劣化したと感じた場合バッテリーを交換することで快適に使えるようになる状態です。
まとめ
手元で確認できるiPhone 7とiPhone 6のバッテリーの状態はどちらも最大容量が90%で、パフォーマンス管理は発生していない状態でした。共にバッテリーは一度交換しておらずiPhone 7より2年古いiPhone 6が同じ容量なのが少し不思議ですが、目安にすることはできそうです。
バッテリーの状態機能が今後さらに改良され、より正確な情報表示や効率的なパフォーマンス管理が提供されることを期待したいと思います。