人間とコンピューターソフトが戦った「第2回将棋電王戦」をふりかえる力がこもった記事が公開されています。
- 「人間対コンピュータ将棋」頂上決戦の真実 【前編】 対局3日前、「棋界の武蔵」三浦八段が漏らした本音 文/山岸浩史 | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]
- 「人間対コンピュータ将棋」頂上決戦の真実【後編】 一手も悪手を指さなかった三浦八段は、なぜ敗れたのか 文/山岸浩史 | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]
後編だけで15ページもあるので、まだ流し読みしかできてませんが、プロ棋士、ソフト開発者双方の内情を知ることができるインタビューが掲載されていて、とてもおもしろい内容です。
例えば、第1局に先鋒として登場し、ただ1人コンピューターソフトに勝利した、阿部光瑠四段のインタビューを読むと、コンピューターゲームを攻略する感覚で、将棋ソフト「習甦」の弱点をついた事がわかります。
「そもそも僕は、コンピュータとの勝負は人間どうしの将棋とは違う、別のゲームだと考えています。ですから、『将棋のプロなのだから将棋で勝たなくては』とは思っていなかったです。『ルールにさえ違反しなければいい』と思っていました。
コンピュータが人間を超えるのは『時間の問題』です。もう、コンピュータとまともに戦うことにこだわっている時代ではないと思います」
コンピューターソフトに勝つにはこれくらいの割り切りが必要なのかもしれません。三浦八段vsGPS将棋に関しても詳しく書かれています。ぜひご一読を。
第3回電王戦はあるのか?
人類最後の砦と思われた、渡辺竜王は「電王戦には出たくない」と発言しています。来年第3回電王戦が開催されるならば、ソフト側は今年より確実に強くなっているとおもわれるので、やりたくない発言は人情として理解できます。
…しかし、将棋ファンとしてはやはり見たいですよね。
カスパロフvsディープブルーが世界的なニュースとなったのは、超強いチェスのグランドマスターであるカスパロフが、コンピューターと雌雄を決したから。将棋の場合もやはり、名人or竜王がソフトと戦ってこそ、歴史に残るイベントになるのではないでしょうか。
灰色決着のままソフトがぐんぐん強くなっていくというのも日本的ではありますが、せめてもう1回見たいです。